アルコールセンシング技術

現在、センシング方式としては大きく分類すると、半導体方式、燃料電池方式、非拡散赤外線吸収方式(NDIR)、化学反応方式の4種類のものがあります。
具体的な呼気のアルコール濃度のセンシング技術についてご紹介いたします。

センサ方式 半導体方式 燃料電池方式 非拡散赤外線
吸収方式(NDIR)
化学反応方式
ガス選択性 △ ◎ ○ △
精度 △
経年変化
◎ ○
温度、湿度、気圧
△
寿命 ○ △
2年~5年
◎ ×
使い捨て
応答性 ◎
5秒程度
△
燃焼時間長い
○ ×
価格 ◎ △
高価・消耗品
×
精密光学機器
×
ランニングコスト

半導体方式

高温に熱した酸化スズ上の空気中の酸素を還元性ガスによって取り去ることによって酸素が持っていた電子が自由電子になり、電気抵抗が変化することを利用した方式。

原理図 01

メリット
  1. 安価である。
  2. 小型である。
  3. 素早い応答性がある。
デメリット
  1. センサ自体に個体差がある
  2. 通電作業(エージング)が必要・・・安定期(*1)まで
  3. ガス選択性がよくない(ケトン体特にアセトンに反応してしまう)
  4. 湿度、および海抜の高いところ(500m以上)などの環境による精度誤差が大きい
  5. 経年変化が大きく、使い捨てが基本となる

当社では、初期時経年変化(*2)を経た安定期品を利用しています。

  • *1   ・・・   初期時経年変化:連続通電約15~30日後に安定期が現れます。 
  • *2   ・・・   安定期:連続通電後約15日~30日を経て約200日を安定期と呼びます。 

燃料電池方式

呼気中のエタノールを燃料にして、エタノール中の水素イオン(プロトン)と電子に分離して電気を発生させる事を利用した方式。

ダイレクトエタノール形燃料電池センサー
水の電気分解によって酸素と水素が得られるのとはまったく逆の原理になります。
構造は、燃料極(-)と高分子膜と空気極(+)からなり、電極には白金触媒が使用され、呼気中のエタノールを燃料にして、エタノール中の水素イオン(プロトン)と電子に分離して電気を発生させます。

原理図 02

メリット
  1. ガス選択性がよく、エタノール以外にはほぼ反応せず、高精度の測定が可能
  2. 再現性が良い
  3. 取り込む燃料(呼気)が一定であれば、必ず起電力は一定になるため
  4. 環境の影響を受けにくい(気圧、結露、には非常に強い)
  5. センサの劣化特性が予測できる
デメリット
  1. センサ単体の価格が非常に高く、寿命が短い。
  2. 反応時間が長く、測定に時間がかかる。

非拡散赤外線吸収方式:NDIR

全ての気体分子が固有に持っている赤外線吸収帯域(波長)の性質を利用した方式。

原理図 03

原理図 04

メリット
  1. 直接呼気との接触部分がないため、寿命が長い。
  2. ある常温下での精度が高い。
デメリット
  1. 同一吸収帯域を持つガス成分があり、ある特定の1波長だけではエタノールの識別は難しい。
  2. 気圧、温度など環境による測定誤差を生じてしまう。(透過率の変化)
    特に、光検出部等に結露、タバコの煙等で反応してしまう場合がある。
  3. 非常に高価
  4. 装置が大掛かり

化学反応方式

重クロム塩酸の還元反応を利用した色によるセンシング方式。

原理図 05

メリット
  1. 価格が安い。
  2. 小型である。
  3. 制御用のデバイスが必要ない。
デメリット
  1. 反応時間が長い
  2. 再現性および精度は余り期待できない。・・メモリの詠み方に技術がいる。
  3. 気圧、温度など環境による測定誤差を生じてしまう。・・・反応時間が変るため
  4. ランニングコストが高い・・・・毎回使い捨て。

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